PWM信号生成


パワーエレクトロニクス回路は半導体デバイスにゲート信号を与えることで駆動させることができます。どのようにゲート信号をつくればいいのか検討していきます。

PWM制御

PWMとはPulse Width Modulationの略でパルス幅変調を意味します。その名のとおり、パルス幅を変更することで出力電圧を変更します。このようなパルス波形を半導体デバイスに与えることで電力変換を行うことができます。そこで。どのようにすればこのようなパルス波形を取得できるか考えていきましょう。

PWM信号生成ロジック

信号生成ロジックを考えるにあたり、例題を考えます。1周期において、On時間が30%, Off時間が70%となるパルス信号を作るという問題を考えてみます。目標とする波形を以下の図1に示します。

図1 Duty=0.3の矩形波

このような波形を生成する主要なやり方は、定数とのこぎり波を比較するというものです。概念図を以下図2に記載します。

図2 Dutyと三角波の比較波形

Duty(On時間比率のことであり、この問題では0.3となります。)と0から1まで変化するのこぎり波を用意します。そして、のこぎり波の1周期を以下のように分割して考えます。

・\(0<t<Duty \times T\)のとき
値に注目するとDuty>のこぎり波となります。この時の信号を1(=ON)とします。

・\(Duty \times T < t < T\)のとき
値に注目するとDuty<のこぎり波となります。この時の信号を0(=OFF)とします。

以上の二つを統合すると、図3のとおり見事に想定していたとおりの矩形波を生成することができます。

図4 Dutyと三角波によるPWM信号の生成

参考:交流波形生成

PWM制御の入力について、Dutyという一定値を入力していますが、Dutyはリアルタイムで変更することが可能です。つまり、以下の図4のように、Dutyを可変にすることが可能です。

図5 Dutyが時変動するときのPWM信号の変動

次にDutyを離散的ではなく、連続的に変化させることを考えます。Dutyの変動に対してキャリア周波数が十分に大きければ、出力波形にDutyを反映させることができます。DutyとはOn時間のことを指すので、波形としては疎密のある矩形波となります。これがDC/ACインバータで用いられるPWMになります。

図6 正弦波状のDutyと三角波による、正弦波状PWM信号の生成

Simulationによる波形生成

Simulinkでの波形生成方法を紹介します。波形生成にあたり以下の条件を設定します。

1:Duty
Duty30%を設定します。この値は出力したい波形に応じて変更します。

2:キャリア波
0~1までを出力するのこぎり波を生成します。今回はRepeating sequenceブロックを使用します。キャリア周波数は1000Hzとします。

3:ソルバー
デフォルトの設定の場合、測定点が不足する可能性があります。そのため、最大ステップサイズをキャリア周期の100倍と設定しておきます。このように設定することで、のこぎり波が0.01ずつ増加していきます。

以上を考慮したモデルとその生成波形を紹介します。

図7 PWM信号生成時のソルバー設定
最大ステップを小さくし、細かくタイムステップをとる
図8 SimulinkによるPWM信号の生成回路

上のようにモデルを組むことで、所望のDutyに応じた矩形波を生成することができます。

まとめ

半導体デバイスを駆動させるためのゲート信号の生成ロジックについて紹介しました。ポイントは以下のとおりです。

  • ゲート信号にはPWM制御が利用される
  • Dutyとのこぎり波を比較することでゲート信号を生成することができる
  • Dutyを正弦波とすることで交流信号向けのゲート信号を出力することができる。
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