別ページにて、半導体デバイスを冷却する必要があることを述べました。このページでは、半導体デバイスの冷却に関連する熱系の考え方について検討していきます 。
半導体デバイスの構成
半導体デバイスは一般に図1のような構成を取ります。つまり、半導体デバイスはケースの上に載っており、そのケースは冷却のためにヒートシンクにつながっている構成です。半導体デバイスにて熱が発生し、ケース-ヒートシンクを介して放熱されます。

なお、実際のデバイスの詳細な構成は、この図とは変わりますが、理解のためにこの図を利用して考えていきます。
半導体デバイスの熱回路構成
熱の流れを考えるために、熱回路が利用されます。熱回路は、熱の伝わり方を電気回路に類似させてモデル化したものです。この方法では、熱の流れと電流が、温度差が電圧と対応しています。また、熱の伝わりにくさを熱抵抗と呼び、電気抵抗と対応しています。すなわち、熱抵抗が大きいほど、熱が伝わりにくくなります。
図1の半導体構成について、熱回路を用いて表現したものが図2になります。

図1の構成の場合の熱伝導の様子を示す
電気回路と同じ考えを適用できるので、以下の式が成立します。
$$ T_{semiconductor} = Q \times R_{jc} + T_{case} $$
$$ T_{case} = Q \times R_{cs} + T_{sink} $$
$$ T_{sink} = Q \times R_{sa} + T_{ambient} $$
したがって、半導体デバイス温度を下げるためには以下の手法をとることができます。
1つは熱抵抗を小さくする方法です。電気回路にて抵抗が小さいほど電流が流れるのと同様に、熱回路においても熱抵抗が小さいほど熱流量Qは大きくなります。したがって、熱抵抗が小さくなる設計をすることで、半導体デバイス温度を下げることが可能になります。これは、素材の選択や接触面の改善によって達成されることが多いです。
1つは外気温度を下げる方法です。電気回路にて電圧差が大きいほど電流が流れるのと同様に、熱回路においても温度差が大きいほど、熱流量Qは大きくなります。したがって、外気温度を低くすることで熱流量が大きくなり、半導体デバイス温度を下げることが可能になります。冷却媒体の温度を下げるためには、効率的な冷却システムを設計することが重要です。例えば、ファンや液体冷却システムを適切に配置することで、外気温度を効果的に低下させることができます。
まとめ
このページでは半導体デバイスの熱回路の設計を行いました。ポイントは以下のとおりです。
- 半導体デバイスは、半導体デバイス⇒ケース⇒ヒートシンク⇒冷却媒体という構造を持っています。この構造を理解することで、どこで熱が発生し、どのようにして効率的に放熱するかを考えることができます。
- 熱回路を用いることで、熱の流れを電気回路に類似させてモデル化し、定量的に分析することができます。これにより、デバイスの温度を効果的に管理するための具体的な手法を考えることができます。
- 半導体デバイスの温度を下げるために、熱抵抗を小さくするか、冷却媒体の温度を下げる必要があります。これには、材料の選択や冷却システムの設計が重要です。

