別ページにて、オペアンプの特徴を紹介しました。このオペアンプの応用回路として増幅回路があります。ここでは、増幅回路として、反転増幅回路、非反転増幅回路、ボルテージフォロア回路について紹介します。
増幅回路の動作
増幅回路とは微弱な信号を、大きい信号に変換する回路のことを指します。その動作イメージを図1に示します。

増幅回路により、マイコンで演算を施した微弱な制御信号を用いて、モーターなどの実際の機器を動かすことができるようになります。そのため、増幅回路は様々な場面で活用することができます。
反転増幅回路
オペアンプの増幅回路のうち、代表的なものが反転増幅回路になります。反転増幅回路について、回路図・出力電圧計算・シミュレーションによる確認を行います。
反転増幅回路の回路図と出力電圧計算
反転増幅回路の回路図を図2に示します。

この回路を利用した場合の出力電圧を計算します。
仮想接地より、オペアンプのプラス端子とマイナス端子は同電位になります。
$$ V_{0} = 0$$
従って、抵抗R1に流れる電流は次の式で表されます。
$$ I_{1} = \frac{V_{in}}{R_1}$$
オペアンプの入力インピーダンスは無限大のため、オペアンプには電流は流れ込みません。つまり抵抗R2にも抵抗R1と等しい電流が流れます。したがって、出力電圧Voutは次の式で表せます。
$$ V_{out} = -R_{2} I_{1} = – \frac{R_2}{R_1} V_{in}$$
この式は、入力電圧が-R2/R1倍されるということを意味しています。符号にマイナスがついているので、電圧は反転しています。
シミュレーションによる反転増幅回路の動作確認
Simscapeにて実施したシミュレーションを図3に示します。

R1=1Ω, R2=2Ωのため増幅率は-2倍となる
この回路は10VのDC入力を、R1=1Ω, R2=2Ωの反転増幅回路に接続した回路になります。反転増幅回路のシミュレーションにより、出力電圧-20Vが得られることが分かります。これは、Vout=-R2/R1 Vinの理論式と一致しています。
非反転増幅回路
反転増幅回路が電圧の符号が変化しましたが、変化しない回路があります。それが非反転増幅回路になります。非反転増幅回路について、回路図・出力電圧計算・シミュレーションによる確認を行います。
非反転増幅回路の回路図と出力電圧計算
非反転増幅回路の回路図を図4に示します。

この回路を利用した場合の出力電圧を計算します。
仮想接地より、オペアンプのプラス端子とマイナス端子は同電位になります。
$$ V_{0} = V_{in}$$
従って、抵抗R1に流れる電流は次の式で表されます。電流の向きに注意してください。
$$ I_{1} = \frac{V_{in}}{R_1} $$
オペアンプの入力インピーダンスは無限大のため、電流は流れ込みません。つまり抵抗R2にも抵抗R1と等しい電流が流れます。したがって、出力電圧Voutは次の式で表せます。
$$ V_{out} = V_{in} + R_{2} I_{1} = (1+\frac{R_2}{R_1}) V_{in}$$
この式は、入力電圧が(1+R2/R1)倍されるということを意味しています。符号はプラスのため、電圧は反転しません。
シミュレーションによる非反転増幅回路の動作確認
Simscapeにて実施したシミュレーションを図5に示します。

R1=1Ω, R2=2Ωのため増幅率は3倍になる
この回路は10VのDC入力を、R1=1Ω, R2=2Ωの非反転増幅回路に接続した回路になります。非反転増幅回路のシミュレーションにより、出力電圧30Vが得られることが分かります。これは、Vout=(1+R2/R1) Vinの理論式と一致しています。
ボルテージフォロア回路
非反転増幅回路のうち、特殊な回路としてボルテージフォロア回路があります。この回路は増幅はしませんが、インピーダンス整合などのバッファとして動作します。ボルテージフォロア回路について、回路図・出力電圧計算・シミュレーションによる確認を行います。
ボルテージフォロア回路の回路図と出力電圧計算
ボルテージフォロア回路の回路図を図6に示します。

この回路を利用した場合、仮想接地から出力電圧は入力電圧と一致します。
$$ V_{out} = V_{in}$$
ボルテージフォロア回路は非反転増幅回路のうち、
$$R_1 = \infty $$
$$ R_2 = 0$$
としたものと考えることができます。実際、Vout=(1+R2/R1) VinにR1,R2を代入するとVout=Vinが成立します。
シミュレーションによるボルテージフォロワ回路の動作確認
Simscapeにて実施したシミュレーションを図7に示します。

この回路は10VのDC入力をボルテージフォロアに接続した回路になります。シミュレーションにより、出力電圧も入力電圧と等しい10Vが得られることが分かります。
まとめ
このページでは、オペアンプを利用した増幅回路について紹介しました。ポイントは以下のとおりです。
- 増幅回路は微弱な信号を大きな信号に変換する回路です。制御信号の増幅などに利用されます。
- 反転増幅回路を紹介しました。二つの抵抗を利用した回路で、出力電圧はVout =-R2/R1Vinの関係があります。
- 非反転増幅回路を紹介しました。二つの抵抗を利用した回路で、出力電圧はVout =(1+R2/R1)Vinの関係があります。
- ボルテージフォロア回路を紹介しました。この回路は非反転増幅回路の一種と考えることができ、入力電圧をそのまま出力します。

