昇降圧コンバータのシミュレーション

昇降圧コンバータの動作原理を別ページで記述しました。このページでは、Simscape Electricalを用いて、動作確認を行います。

昇降圧コンバータのシミュレーションモデルの作成

昇降圧コンバータの回路をモデリングします。シミュレーションモデルおよび回路パラメータを図1に示します。モデルに記載のとおり入力電圧10V、インダクタンス500uH、キャパシタンス1mF、Duty0.5、キャリア周波数3000Hzにてシミュレーションを実施します。

図1 昇降圧コンバータのシミュレーションモデル

このモデルのシミュレーション結果は図2のとおりになります。インダクタ電流は20A、出力電圧は-10Vとなります。

図2 昇降圧コンバータのインダクタ電流と出力電圧波形

出力電圧について、昇圧コンバータでは次の式が知られています。
$$V_{out}=-\frac{D}{(1-D)} V_{in}$$
先ほどのモデルでは入力電圧10V、デューティー比0.5に設定されているため、出力電圧は10Vと計算できます。実際のシミュレーション結果も理論式に一致していることが確認できます。

昇降圧コンバータのパラメータスタディ

昇降圧コンバータのシミュレーションモデルが動作することを確認できました。このモデルを利用して、パラメータスタディを行います。具体的にはDuty、キャリア周波数、インダクタンス、キャパシタンスを変更していきます。その結果、インダクタ電流および出力電圧がどのように変動するか確認します。

Dutyを変更した場合

インダクタンスを500uH、キャパシタンスを1mF、キャリア周波数を3000Hzに固定し、Dutyを変更した場合の波形が図3,4になります。Dutyに応じてインダクタ電流および出力電圧が変動していることが確認できます。

図3 インダクタ電流(Duty依存性)
図4 出力電圧(Duty依存性)

キャリア周波数を変更した場合

インダクタンスを500uH、キャパシタンスを1mF、デューティー比を0.5に固定し、キャリア周波数を変更した場合の波形が図5,6になります。インダクタ電流、出力電圧の双方において、リップルが小さくなっていることが確認できます。Duty一定ですので、出力電圧は一定になります。

図5 インダクタ電流(キャリア周波数依存性)
図6 出力電圧(キャリア周波数依存性)

インダクタンスを変更した場合

キャパシタンスを1mF、デューティー比を0.5、キャリア周波数を3000Hzに固定し、インダクタンスを変更した場合の波形が図7,8になります。インダクタンスが増加することにより、時定数が大きくなり、立ち上がりが遅くなります。インダクタンスが増加することで、電流リップルを抑制することができます。しかしながら、出力電圧リップルには影響を与えません。 

図7 インダクタ電流(インダクタンス依存性)
図8 出力電圧(インダクタンス依存性)

キャパシタンスを変更した場合

インダクタンスを500uH、デューティー比を0.5、キャリア周波数を3000Hzに固定し、キャパシタンスを変更した場合の波形が図9,10になります。キャパシタンスが増加することにより、オーバーシュート量が増加します。キャパシタンスの変化はインダクタ電流リップルには影響を与えませんが、出力電圧リップルの抑制に寄与します。

図9 インダクタ電流(キャパシタンス依存性)
図10 出力電圧(キャパシタンス依存性)

まとめ

昇降圧コンバータのシミュレーションモデルを作成し、動作確認を行いました。ポイントは以下のとおりです。

  • Dutyと出力電圧の関係が理論式どおりになることを確認しました。
  • キャリア周波数をあげることにより、インダクタ電流、出力電圧リップルの双方を抑制できます。
  • インダクタンスによりインダクタ電流のリップルを抑制できます。
  • キャパシタンスにより出力電圧のリップルを抑制できます。
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