降圧コンバータの動作原理

はじめに

身の回りには様々な電圧の回路が利用されています。直流回路でいえば、【3.3V】【5V】【12V】【24V】【36V】【48V】などをよく見かけます。これらの電圧をどのように作るのでしょうか。DC電圧を自由に変換できる装置があると便利ですね。ここでは、DC電圧を下げる機器について紹介します。

リニアレギュレータとスイッチングレギュレータ 

DC電圧を下げる機器としてリニアレギュレータとスイッチングレギュレータがあります。リニアレギュレータとは負荷に対して直列に抵抗を介することで電圧を下げる装置になります。回路図と出力波形は図1のとおりです。この場合、直列に追加した抵抗で熱損失が発生するため、効率があまりよくありません。 

図1 リニアレギュレータの動作

この問題を解決する方法としてスイッチングレギュレータがあります。スイッチングレギュレータは半導体スイッチを使って電源をON/OFFすることで、平均として電圧を落とすやり方です。回路図と出力波形は図2のとおりです。

図2 スイッチングレギュレータの動作

この場合、導通した電力はほぼすべて負荷で消費されるため、効率はリニアレギュレータと比較して断然良いです。しかしながら、ON/OFFで導通させているため出力波形は矩形波となり、高調波が発生します。この高調波はLCフィルタなどを用いて取り除く必要があります。 

なお、出力電圧の平均電圧を考えると 
$$ V_{avg} = \frac{V_{in}T_{on}+0*T_{off}}{T_{on} + T_{off}} = \frac{T_{on}}{T} V_{in}$$
となります。オン時間によって電圧を制御できることがわかります。

降圧コンバータ回路

降圧コンバータの考え方は先ほどの図2のとおりですが、この回路にインダクタンス成分が含まれている場合どうなるでしょうか?インダクタンス成分がある場合、電流を流し続けようとしますがスイッチが開放状態となり電流を流すことができません。

その結果どのような電流が流れるかというと、瞬間的に膨大な電流が流れます。そのため、スイッチをOFFにした時に電流を逃がすルートが必要になります。ということで、半導体スイッチの後段に図3のとおりダイオードを付けます。

図3 還流ダイオードを追加したモデル

この工夫により、スパイク電圧は発生しなくなりますが、出力波形は矩形波となってしまいます。そこでLCフィルタを付けます。LCフィルタを取り付けた降圧コンバータ回路は図4になります。

図4 降圧コンバータの回路

動作原理と出力電圧

図4で示す回路図について、どのような動作をするか検討します。降圧コンバータの動作は半導体スイッチがオンの場合とオフの場合に分けて検討します。

半導体スイッチがオンの場合の動作

半導体スイッチがオンの時、電流は図5の矢印のとおりに流れます。この時、電源から電流が供給され、インダクタやキャパシタにエネルギーが充電されます。 

図5 降圧コンバータの電流経路(半導体スイッチオン)

半導体スイッチがオフの場合の動作

半導体スイッチがオフの時、電流は図6の矢印のとおりに流れます。この時、インダクタとキャパシタから負荷に電流が供給されます。 

図6 降圧コンバータの電流経路(半導体スイッチオフ)

まとめ

パワーエレクトロニクスの基本動作として、降圧コンバータを紹介しました。ポイントは以下のとおりです。

  • 直流電圧を下げる機器として、降圧コンバータがある。
  • リニアレギュレータとスイッチングレギュレータがあるが、スイッチングレギュレータの方が効率が良い。 
  • 降圧コンバータの出力電圧は、半導体スイッチのON時間により制御できる。 
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